ぬくもりをもう一度
「……亨くん?」

電話の向こうから

ふわりと不確かな香澄の声が

聞こえる。


その声にふっと我に返ると、

俺は一つ息を吐いてから口を開いた。


「あぁ、いいよ。食事でもしようか。

 今度はちゃんとした

 レストランででも行こうか」


香澄の婚約者には悪いとは

感じていたけれど、

やっぱり好きな人からの誘いには

こたえたい自分がいた。


少しでも俺のことを、

感じてもらいたい。


ただそれだけだ。






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