ぬくもりをもう一度
これでもう、野々原は

俺のことを諦めてくれたんだ。


ねっとりと絡みつくような

視線を、行動を、

もう見なくていいんだ。


野々原と俺は、

元の同僚という関係に戻った。


清々しい空気が、

俺の胸の中いっぱいに広がっていく。


今日1日の仕事が終わり、

いつもなら身体中が鉛のように

重く感じられるというのに、

まるで大きくて真っ白い羽が

付いたかのようにとても軽い。


きっと今の俺は、

周りからみても穏やかな顔を

しているのだろう。


そんなことを思いながら、

帰宅するために

九段下駅へと向かっていた。





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