ぬくもりをもう一度
なだらかな坂を下り、

“大きな玉ねぎ”の乗った

武道館を右手に歩いていく。


どんどんと地下へと続く

階段の入口へと近付く。


それと同時に、

俺の視界にある1人の影を見つけ

心がざわめき始める。


俺の見間違いでなければ、

その影は……。


大きく波打つ鼓動をそのままに、

九段下駅の階段へ向かう。


だんだんと大きくなっていくその影は、

俺へと視線を向けると

ふんわり優しく微笑みかけた。





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