ぬくもりをもう一度
学園祭で再会してから初めて、

香澄と九段下で待ち合わせした時に

入ったカフェ。


あの時の俺は、

香澄を喜ばせることに必死だった。


とろけるような甘い笑顔を見るために。


カウンターで香澄はホットココアを、

俺はカプチーノを頼み

それを受け取ると

ゆったり出来る場所へ座った。


向かい合って座り、

とりあえず上着を脱いで背もたれにかける。


穏やかなクラシックが静かに流れる店内は、

外が薄暗いこともあるせいか

とてもムードがある。


淹れたてのカプチーノに口をつけて、

ゆっくり息を吐く。


こうして香澄といると、

やっぱり学生の頃と違うんだと感じる。


あの頃の俺らだったら、

この雰囲気にのまれてしまっていただろう。




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