ぬくもりをもう一度
「……!」


香澄の言葉に、

俺の目が一瞬の内に大きくなる。


身体中を流れる血液が

逆流するかのように、

ドクドクと音を立てると同時に

熱を帯び始める。


―――俺の、訊き間違いであって欲しい。


そう思いながら、

俺はゆっくりと口を開いた。


「結婚を、止めるのか?」


俺の言葉に

香澄がためらいがちに小さく頷く。


―――訊き間違い、ではない。





< 218 / 297 >

この作品をシェア

pagetop