ぬくもりをもう一度
それまで気持ちよく

回転していた歯車が、

俺の気付かない内に

ギシギシときしみ始めてしまっていたのだ。


あの時、

大学の学園祭で香澄と再会してしまった、

その瞬間から。


もう、元には戻れない。


再会する前の状態には、

戻れなくなってしまった。


やっぱり俺は……、

香澄のことが好きで好きでたまらない。


こうなってしまった以上、

俺にだって責任はある。


その責任をどうとって

いかなければならないのかは、

まだ分からないが。


「亨、くん?」


ふと、優しい声で呼びかけられ、

我に返る。


心配そうに見つめる香澄の潤んだ瞳に、

吸い込まれてしまいそうだ。


香澄に向かって不器用に笑うと、

俺は口をゆっくり開いた。



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