ぬくもりをもう一度
「ありがとう。

 嬉しいよ、そう言ってくれて。

 俺だって、ずっと今まで

 香澄のことが忘れられずにいたから」


「じゃあ……。私と、もう一度……、

 付き合ってくれる?」


顔を赤らめて躊躇いがちに訊く香澄が、

愛しくて愛しくて、

俺自身狂ってしまいそうになる。


感情の高ぶりを少しでも押さえようと

静かに息を整えると、

俺はもう一度笑ってこくりと1回頷いた。


「俺の方こそ、よろしく」


俺の言葉を訊いた瞬間、

香澄の顔がパッと明るくなった。


艶やかな大輪の花が、

俺の目の前で開花したようだった。







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