ぬくもりをもう一度
「突然お邪魔して悪かったね。

 僕は、川尻智治(かわじりともはる)。

 香澄の……婚約者だ」


「……!」


ようやくことの重大さに気付いた俺は、

全身の血の気がすうっと

引いていくのを感じた。


俺の目の前にいる男が、

香澄と結婚を約束していたその人なのだ。


同性の俺からみても、

くやしいけれどとても格好いい。


立ち姿、振る舞い、

全てが完璧に見える。


こんな俺なんかが、

太刀打ちできる相手ではなさそうだ。







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