ぬくもりをもう一度
どんなに辛いことがあっても、

それはきっと後の自分に

絶対にプラスになるはずだから。


そう思って俺は

仕事をしているのだけれど。


香澄にとって、

何かよほど辛くて

苦しいことがあったのだろうか。


俺に投げかける笑顔が、

少し歪んで見える。


しかし、香澄からの返事は、

俺が予想していたことを

はるかに上回るものだった。


コップに浮かぶ氷を

カランと鳴らしながら、

香澄はゆっくりと口を開いた。


「実はね、私……。

 もうすぐ結婚、するんだ」






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