先輩とあたし。

あたしはそのメールを見て安心した。

あたしは立ち上がって、亮太くんを待っていた。

しばらくしてしーん…と静かな住宅街にカツカツっていう足音が聞こえた。

亮太くん…?

でもヒールの音にも聞こえる。

あたしは亮太くんだと思っていたけど、もし違う人だったらどうしよう…。

あたしは足音がするほうをじっと見つめた。

相変わらずぼやけてしか見えないけど。

あ、ちょっとだけ涙がでてきた…。

ぼやけるのは視力だけじゃなかったみたい。

ぼやけながらもシルエットが見えてきた。

あ、やっぱり亮太くんだ……。

2、3メートルぐらいになってようやく亮太くんと気づいたあたし。

あたしは出そうになっていた涙をふいた。

< 100 / 310 >

この作品をシェア

pagetop