冷たい雨に咲く紅い花【後篇ーside実織ー】
「そうして、何時間待つの?」
「え?」
「君が紅茶を買いに出てから3時間経つんだよ」
3時間?
あれから?
手に持っていた紅茶は、
すっかり冷たくなっていた。
吉水さんを見上げると、
傘をさしているというのに、体はびっしょり濡れていた。
「……さがして、くれたんですか?」
「まぁね」
みつけるまでちょっとかかったけどね。
と、
彼は微笑む。
そんなに濡れて――
ちょっと探した程度ではないはずなのに……
それでも彼は優しく微笑む。
「ごめんなさい、心配かけちゃって。
でも私は大丈夫ですから」
私も“笑顔”で応えようとするけど、
あれ?
なんかうまく笑えない……

