青空バスケ―番外編―
もしかして、の後に梨子の言葉は続かなかった。
もしかして、何だよ?
訳が分からずに梨子を見るも、梨子はそんな俺に気づかずにじっと岬を見つめる。
ただ、岬には梨子の言いたいことが伝わったようで、小さく頷く。
そんな岬に梨子が恐る恐る尋ねる。
「大和君に……話したの?」
「話せるわけない……。
話そうと思ったら、その前にいらないって言われたんだもん……」
「栞奈ちゃん……」
……ついていけない。
女子二人に完全に置いてけぼりにされている俺。
「あの……」
「蓮君はちょっと黙ってて!」
「……はい」
いつの間にこんなに強くなったんだ……。
蛯原の横でオドオドしていた梨子はどこに行ったのか……。
「梨子ちゃん……あたし、どうしたらいい?」
「大和君に話した方がいいよ。
話はそれからだよ」
「でも……どうしよう。
いらないって言われたら、あたし……」
「だからって、このままじゃ何も進まないよ?」
うぅ……と涙目で梨子に助けを求める岬。
俺はついていけないので、その横でコッソリとケータイを開く。
案の定届いていた大和からのSOS。
ウチにいるって伝えてあげたいけど……。
チラッと二人の様子を見て、迷う。
もし俺が勝手に大和に連絡したとバレたらフルボッコにされるんじゃないか……。
そんな考えが頭をよぎって、俺は心の中で大和に謝りながら何もしないままケータイをテーブルに戻した。
そんな時だった。
ピンポーン、と部屋中にインターホンの音が鳴り響く。
その音に岬がピクリと反応して体を強張らせる。
「誰……?」
「ちょっと見てくる」
そう言いながら俺は立ち上がる。
「大和だったら入れないで!」
「いや、さすがにそういうわけには……」
そう言いながらモニターを確認する俺。
そして、画面に映った人物を見て思わず声を漏らす。
「ゲッ……」