青空バスケ―番外編―
「蓮ちゃん……?」
変な声を漏らした俺を岬が不思議そうな顔で見つめる。
「……大和ではないよ」
とりあえず安心させるためにそう言う。
そして、深呼吸をしてからもう一度画面の人物を見る。
「……はい」
《やっほー、元気ー?》
相変わらず間延びした声。
《出るの遅ぇよ》
相変わらずのイケメンだけども怖い。
《悪いな、突然。
コイツらがどうしてもって聞かなくて……》
相変わらずの保護者体質。
大和が企画してくれたあのストリートバスケ以来に見る三人の先輩の姿。
あの時は途中で抜けちゃって申し訳なかったけど……。
お陰で梨子といれる今がある。
「先輩達……?」
声だけで分かったのか、岬が小さく呟く。
「すみません。
来てくださったのは嬉しいんですけど、あいにく今は取り込み中で……」
《はぁ?
ふざけんなよ、どうせ暇なんだろ》
「いや、三十分前までは暇だったんですけどね……」
南雲先輩、モニター越しでも威圧感半端ない……。
《なら、いいだろ。
夏樹、いけ》
「は!?
いや、何もよくな……」
何もよくない。
そう言おうとした俺にかぶせるかのように玄関のドアが開く音が聞こえてきた。
しまった……カギかけるの忘れてた!
「カギ開けっぱなしなんて不用心だよー」
そして直に聞こえる相沢先輩の声……。
あぁ……面倒くさいのがまた増えてしまった。
俺は小さくため息をついた。