青空バスケ―番外編―
まさか……、とその場にいた全員の時が止まる。
じっと岬を見つめる南雲先輩。
そんな先輩の視線に耐えられなくなったのか、岬が小さく頷いた。
「え………」
じゃあ……。
先程の岬の話を思い出す。
子供はまだいらない、そう言った大和に一方的に怒って家出したのかと思ってた。
だけど、そうじゃなくて……
……そんな大和の言葉にショックを受けて出てきたんだ。
まだいらないと言われたのに、既に岬のお腹には新たな命が宿っていたから……。
当然といえば当然でしょ。
そんな自分の言葉を激しく後悔する。
ショックを受けた岬が俺を頼ってここまで来てくれたのに……。
知らなかったとはいえ、今の岬にとって残酷な言葉を吐いてしまった。
「栞奈、それ大和は……」
鳴瀬先輩の言葉に岬が首を横に振る。
「知らねぇの?アイツ。
何で?」
「……言い出せなくて」
南雲先輩が大きくため息をつく。
「だからってお前一人の問題じゃねぇんだから」
「けどっ………」
また岬の瞳に涙が溜まっていく。
俺と鳴瀬先輩、それに相沢先輩までもが慌てる中、南雲先輩だけは一切動揺していなかった。
さすが、モテる男はこういう場面には慣れているのか……。
「……何があった」
「っ……先輩……」
「……泣け。
泣いていいから、話せ。
全部、俺達に」