赤い月 肆

正気に戻った景時が、教室を見回す。

その顔を見て、薫は軽く眉を顰めた。

おかしい。
昨日までの、捨てられた子犬のような表情じゃない。

戻ってる?

ブルースの強さを手に入れた?


「うさぎサマなら、アイツのトコ行った。
オメェ…
ナニがあっ」


「えぇぇ??!!
うっそ…」


景時が、薫の言葉の前半に強烈に反応し、窓から身を乗り出した。

見える。

校門に向かって歩くうさぎ。

車を降りて彼女を迎えるあの男…

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