赤い月 肆

「なんでもっと早く言ってくんねーの!!」


「は?
おい…」


「間に合わねぇ…
イイや。
俺、行くわ。」


急に元気になった景時に驚いている薫を尻目に、彼は教室の窓枠に足を掛けた。


「おいおい、ココ二階…」


なんの躊躇いもなく、景時が身軽に飛び降りる。



まー、イイか。
死ぬこたねーだろ。

華麗に着地を決めて走り出した景時を、薫は窓枠に頬杖をついて眺めた。


(よくわかんねぇケド…
復活してンじゃね?)

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