AZZURRI~AZZURRO番外編~
末の妹はケシャに良く似た
栗色の髪と瞳が美しい少女だった

『ジャン様―抱っこぉ!』

ジャンは時たま抱っこをせがまれ渋々抱き上げた事があった

その姿を見たクリスは衝撃的なものを見たような表情をしていた

「アニスか。
医師や薬師には診せたのか?」


「それが、医師も薬師も市外の村へ定期往診に出ていまして、戻るのは明日の昼過ぎごろだそうです。

あの、勝手だとはわかっているのですが
私妹についていてやりたいのです。
ですから、今日のお仕事は休ませていただけないでしょうか?

もちろん、後日休んだ分の罰は受けます。どうか、お願い致します。」

ケシャの不安の色が濃くなる
細い肩のが小さく震えていた

この肩に幼い兄弟達の未来を背負い
守って生きている彼女

その苦労や思いは簡単には計り知れない

ジャンはそっと震える肩に手を置いた

「こちらのことは心配するな。
アニスの容態が回復するまで傍に居るといい。
後程、宮仕えの医師と薬師を向かわせよう。それまで、しっかりアニス達を診るのだぞ。」
< 7 / 37 >

この作品をシェア

pagetop