野球嫌いなあたしと、先輩。
「……っ!」


豪快なバッティング音に気付いた夢が、俺の方を見て……

気のせいか?

……少し笑った気がした。


その瞬間、頭の中の何かが切れた。

難しく考えることはない。


そう思ったら、勝手に走り出してた。

夢の側を目指してた。


「ちょっと!どうしたの!?」


いきなり全速力で走ってきたら、そりゃ驚くよな。


「はぁっ……はぁっ……夢!お前、俺を好きになれっ!」


乱れた呼吸を整えながら、真っ直ぐに夢を見つめる。


「え?」


「お前の性格変えてやる!俺を好きになれば、俺の好きなものも全部好きにさせてやる!」
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