風の恋歌

「ウィンデーネ、それは命を息吹かせるもの。そなたはよく働いたな」
「……ありがとうございます」

 美しい人の、温かな「声」でのいたわりの言葉に、私は礼を言った。

「あの……」

 貴方は誰?

 そんなことも、私は聞けなかった。
 今の状況がどんなものか、わからなかったからだ。

「そなたは、なにを望む?」

 え?

 尋ねられたことがわからず、当惑して彼を見ていると、彼はとても穏やかな表情で、

「命から解放された今、そなたはなにを望む?」

 私はぱちくりと、目をしばたかせて、しばらく考えた。
 そして、

「私は、命を息吹かせるものでありたいです」

 いつも、思っていたこと。

 あの「声」が教えてくれた私の存在意義。
 消えて空に還った私が望むこと。
 それはありのままの自分であり続けること。
 命を息吹かせるものであること。

 その「声」の持ち主である彼は、にっこりと嬉しそうに笑った。

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