風の恋歌

 私は、命を運ぶものだ。

 それから、私は今まで、駆けつづけている。
 迷うことなく。

 私が生を受けたこの世界は、とても美しい。
 緑に満ち溢れ、たくさんの命が生き、活気にあふれた世界。

 ときたま、思いにふけることがある。
 あの「声」の主は誰なのか。
 私を作り出したものなのか。
 人目だけでも会ってみたいと思った、とても暖かい「声」の持ち主。


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