セックスフレンド
ウーロン茶の入ったグラスを倒してしまった。

「あ…やだ…ごめん」

ウーロン茶がテーブルに広がっていく。

通りすがりの店員さんが素早く拭いてくれた。


あたしはトイレに駆け込んだ。

鏡を覗き込むと、目が潤んでいる。

「はぁ…」

泣いちゃダメ。
泣いちゃダメ。

自分に聞かせる。

哲也さんと瑞希くんは、会社の先輩後輩。

仲がいいのは知っているけど。

何も今電話してこなくていいのに。

どこまで、あたしを傷つければ気がすむのよ?

瑞希──

名前を聞いただけで動揺なんて。

情けなさすぎ……
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