セックスフレンド






────6月半ば。




あたしは、丸1日の陣痛に耐えて、無事に赤ちゃんを産むことが出来た。


我が子が誕生してまだ2時間しか経っていない。


昨日までお腹の中で動いていた赤ちゃんが、今、ベビーベッドにいるなんて。

同じ部屋にいるなんて。

何だか不思議。


「手も足も小さいな」


瑞希が優しい瞳をして、赤ちゃんを見つめながら言った。


瑞希は昨日の夜、陣痛が始まってからずっと付き添ってくれていた。


「ねぇ? 名前どうしよう?」

「未希にしないか? 未来に向かって希望を持って生きる人間になるように」

「素敵だね。うん。未希にしよう」
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