セックスフレンド
帰りの車の中は、とても静かだった。

気まずいって程ではないけど、会話が見つからないまま、アパートの前まで来てしまった。

「…お疲れ様でした」

あたしは、それだけ言うと車から降りた。

家の中に入ると、ベッドの上で横になり、大野さんのことを考えていた。

大野さんは、あたしより二つ上の先輩。
優しくて、いつも冷静。
しっかり者で頼りになる。

今まで男を感じたことなんてなかった。

あたしのどこがいいんだろう?

分かんないよ。

土曜日…どうしよう。

この日は、答えが出ないまま夜が更けていった。
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