危険な彼と危ない初恋
「・・・・・・そして、その後から私と彼は付き合うことになったの。多分、その時は順調だった・・・・・・と、言うべきかな?
だけどね、私達は御互いに段々と本気で好きになっていくことを恐れて自然消滅していったんだ。
・・・・・・多分、あそこで私がもっと素直になってたらまだ、付き合ってたのかな?
・・・・・・なんて、馬鹿馬鹿しいよね!
そのあとも、私はいじめられてたんだ。それが親にバレちゃって・・・・・・今、現在に至ります」
最後は沙良が、無理して笑っていた。
きっと、私に気をつかって。
でも・・・・・・でも、沙良?目が笑ってないよ―――・・・・・
だけど、やっぱり確かめなくては。
その“彼”が、桐だってことを―――・・・・・