Memory
人ごみはやっぱり苦手。


現在あたしは廊下の掲示板の近くにいます。


といっても、人が多すぎて前には進めないわけで。


当然結果なんて見えません。


ふと前を見ると見慣れた二人組を発見!!


「菜々と…凜子だよね…なんで…」



なんで背伸びしてるのかしら…?


一生懸命背伸びしたりぴょんぴょんと跳ねてるけど…届いてない。


2人はあたしより背が低い。


…なんて、今はそんなことよりも!!


「凜子、菜々!!」



あたしが二人を呼ぶと、二人はあたしに近づいてきた。



「もー月水!どこ行ってたのよ!!」


「そーだよー!!!」


二人の頬が膨らむ。


「ごめんごめん…ちょっと教室で………」


続きを言おうとしたとき、人だかりが減り始め見たかったものが見えた。



「う…嘘…でしょ?」


「「は?」」


「凜子…たしか凜子って、学年トップだった…よね?」


「へ…うん。去年は…」


「どーしたの?月水」


あたしは掲示板の一番上を指差して「アレだよ…」とつぶやいた。
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