Memory
「あ…そうだよな」

「すみません…」


あたしは頭を下げる。

すると先生はあたしの前にしゃがみ込んだ。


「いや、俺が無神経だったからさ。転入の理由なんて言おうか?」

「あ…忘れてた」


そう…

あたしは転入生…

転入の理由は転院したから学校を変えなきゃいけなくなった。


けど…


「どうしよう!!」


まだ…っていうか絶対言いたくない…。

前の高校ではそれが知れて嫌な目にあったから…。

もう繰り返したくない。


「じゃあこうしようぜ」

「…?」

「無難に引っ越してきたから!!」


・・・・・・。

なんだか子供みたい…。

おかしくてあたしは思わずふきだした。


「な…なんだよ」

「いえ…おかしくて…先生、子供みたい」


その言葉に先生はふっと笑いながらそうか?と聞いてきた。


その瞬間にチャイムが鳴る。


「おっと…そろそろ教室に行かなきゃな!!」


「はい!!」


あたしたちは教室に向かった。


その教室での彼との出会いが、これからのあたしの人生を輝かせるなんて

あたしはまだ気づいてなかったんだ…。
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