Memory
学校に着くと昇降口で凜子ちゃんを見つけた。

「凜子ちゃんおはよう!!」

「月水ちゃんおはよう!!」

凜子ちゃんはあたしに気付いて挨拶を返してくれた。

やっぱこういうのいいなぁ…なんて思ってたら誰かと肩がぶつかった。


「あ…ごめんなさ……あ!」

「…んだよ、邪魔」


ぶつかったのは隣の席の、えと…なんだったっけ…

りゅう…りゅう…


「龍平君だ!!」

「…は?」

「月水ちゃん?どうしたの?」

「へ?」

周りの人があたしを見てる。

やらかした…。

「わけわかんねぇやつ」

そう言って龍平君は行ってしまった。

まぁ後で教室で会えるんだけどね。


「でも月水ちゃん本当にどうしたの?」

凜子ちゃんは心配そうにあたしに言う。


「あ…えと、昨日の今日で龍平君の名前忘れちゃっててさぁ…あはは」

「あ~そういうこと!!あたしてっきり…」

「てっきり…何?」


あたしが聞き返すと凜子ちゃんはちょっと意地悪そうに笑って秘密と言った。



教室に着くとみんなが”おはよう”って言ってくれてなんか嬉しくなる。

この学校に来れてよかったなぁ。


「おはよ!」

「…は?」

あたしはめげない!!

勇気を出して龍平君に挨拶した。


「だから、お・は・よ・う!!」

「なんだこの女…頭わいたか」


イラッ

昨日も思ったけど失礼な人だなぁ…。

ま…いいけどさ!!


「月水ちゃん」

「へ?」


ふと後ろから声をかけられて振り向くと、なんというか…こう…お人形さんみたいにかわいい子がいた。
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