人貸し屋
★夜side



「・・・そこにいるんですね」



物陰に隠れていると

主に声をかけられた



「・・・気付いてたのか」



主の前に顔を出すと

主は無表情でソファに座った



もうそこに、さっきの男は

存在も体も・・・何もない



ただ1つあるのは

《新しく出来た》水色の瓶



「また、新しいコレクションが

 出来てしまいましたね・・・」



「・・・・・・・・・・・・」



主の力は

人を貸すだけじゃない



この世にはもういない人を

現実に甦らせることが出来る



客の依頼通りの人を貸せる



そして・・・

欲望に堕ちた人間を

瓶に変えることも出来る



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