矢刺さる先に花開く


平家は昔から貿易に積極的で、清盛は日宋貿易実現のため大輪田に港をつくることを望んでいたのだ。


だが…今日は、六波羅はいつもとは異なる、華やかな忙しさに追われていた。


――膳や調度品の支度も揃い、清盛の五十歳を祝う宴が始まろうとしていた。


「父上。おめでとうござりまする」


重盛に続いて、一門の者たちが清盛に頭を下げ、宴は始まった。


< 114 / 164 >

この作品をシェア

pagetop