恋……シヨ?ー小沢尚人編ー
私は不安を隠せないまま、チャペルの出入り口まで駆けって行った。



すると、小沢先輩が言った通りチャペルのドアはさっきまでは大きく開いていたのに、今は固く閉ざされていた。



「ほ 本当だぁっ
どうしよう…っ」



そのドアを開けようと、私は必死に押したり引いたりしてみたけれど、よほど頑丈な造りなのかびくともしない。


え…ちょっと待ってよ。

ただでさえ普段閉まっているママ高のチャペル。

開くのは、今日みたいな学祭や入学式に卒業式みたいな行事がある時だけと年に数回。



それまで私たち、出られないって事!?

まさか閉じ込められちゃうなんて――――っ




「小沢先輩!」



「梅津、何テンパってんだよ」



まだ奥の十字架の前に立っている小沢先輩のもとに駆け寄ると、私は大声で叫んだ。



「どうしよう、開かないんですっ
私たち、閉じ込められちゃいました!」




ステンドグラスは開く仕様になってないと思う。

他に出口なんてあるのかなっ


このまま出られなかったらどうなるのーっ!!?




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