恋……シヨ?ー小沢尚人編ー
「…お姉ちゃんは、もし友だちが自分の気になる人と近い距離にいたら…どんな気分かな」



「へ?」



急に低いトーンの声で訊いてきた私の質問に、お姉ちゃんが顔を覗き込む。



「心花…恋、してんだね」



「こ 恋って言うか…っ」



今まで異性と付き合った事もなかったのに、私が通うこのママ高に入学して初めて声をかけられた。

それが、小沢先輩。


以来、ずっと気になって仕方ない存在なの。



それってやっぱり、恋――なのかなぁ。



だけど、そんな小沢先輩との距離はいつまでも変わらない平行線。


なのに、よりによって友だちの夕陽が…



「…男なんて、待ってるだけじゃダメなんだから!」



「え、…え?」



いきなりピシャリと言い放ったお姉ちゃんに、私は目を剥いて見上げた。


ど どうしちゃったの?




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