恋……シヨ?ー小沢尚人編ー
「やだ、もう始まってるじゃん!」
たどり着いた東高のグラウンドでは、それぞれの選手たちが二手に分かれて試合を始めていた。
ブルーのユニフォームを着ているのが、うちのママ高だ。
私たちは邪魔にならないようにグラウンドの端に行くと、既に始まっている試合を観戦した。
「ほぇ~
やっぱしサッカー部ってのは、キラキラ輝いてんやなぁ。あれで女の子にモテんハズがないわ。
月曜からは、オレもあの輪に入れるんやで?」
サッカーをどんな目で見てるのか知らないけど、ずいぶん勘違いだらけのような赤坂くんの発言に驚いちゃう。
「やーん
やっぱりサッカー部のマネージャーって、試合に疲れた選手たちに潤いを与える女神的な存在よねーっ
甲子園ならぬ花園に連れてってやるって、あたしも言われたーい」
…赤坂くんも夕陽も、何だか不純な動機で入部するような様子が、その言葉から察してしまうのは何故だろう。
そんな私は2人の事は見えない振りをして、双高の試合を見る事にした。