恋……シヨ?ー小沢尚人編ー



「やだ、もう始まってるじゃん!」



たどり着いた東高のグラウンドでは、それぞれの選手たちが二手に分かれて試合を始めていた。


ブルーのユニフォームを着ているのが、うちのママ高だ。





私たちは邪魔にならないようにグラウンドの端に行くと、既に始まっている試合を観戦した。




「ほぇ~
やっぱしサッカー部ってのは、キラキラ輝いてんやなぁ。あれで女の子にモテんハズがないわ。
月曜からは、オレもあの輪に入れるんやで?」



サッカーをどんな目で見てるのか知らないけど、ずいぶん勘違いだらけのような赤坂くんの発言に驚いちゃう。



「やーん
やっぱりサッカー部のマネージャーって、試合に疲れた選手たちに潤いを与える女神的な存在よねーっ
甲子園ならぬ花園に連れてってやるって、あたしも言われたーい」



…赤坂くんも夕陽も、何だか不純な動機で入部するような様子が、その言葉から察してしまうのは何故だろう。



そんな私は2人の事は見えない振りをして、双高の試合を見る事にした。





< 84 / 157 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop