恋……シヨ?ー小沢尚人編ー
ピッピーーー!!
遠くグラウンドの方で、ホイッスルの音が聞こえた。
休憩時間が終わり、試合の後半が始まろうとしてるんだ。
「…心花にとって小沢先輩が一番なら、オレはその上を目指すだけだ。
練習試合だって、絶対手は抜かない」
「ぁ、優ちゃ…っ」
それだけ言うと、優ちゃんはグラウンドの方へと戻って行った。
急がないと、後半戦が始まるものね。
だけど――――…
ごめんね、優ちゃん。
今日はもう、これ以上この試合を見てられないの。
「…………………っ」
私はもう一度踵を返すと、そのまま東高を出て帰路についた。
優ちゃんは追いかけてくれたけど、小沢先輩は気付いてくれなかったかな。
「………………」
サッカー部のマネージャー、なればよかったのかなぁ…。
…て、もう遅いよね。