恋……シヨ?‐武藤 雅晴編‐
「毎年すごい盛り上がりね~」


「今日は一般公開だからまた更に人が多いですね」



私と忍先輩は賑やかな雰囲気を楽しみながら校内を歩く。

他校生も大勢来ていて、普段は見慣れない制服を着た人も目立つ。


そんな中でも、私は性懲りもなく武藤くんの姿を探してしまう。

見付けたところでどうするわけでもないのに…。



「心花ちゃん、何か食べる?」


「あっ、はい…!」



その声にはっとして顔を上げると、いつもの優しい笑顔で私を覗き込む先輩が。

またぼーっとしちゃった…ダメだなぁ。


私は辺りを見回して、とりあえず目に留まったクレープの屋台を指差す。



「じゃあ、私クレープで…」


「わかった、買ってきてあげるわ。何がいい?」


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