恋……シヨ?‐武藤 雅晴編‐
先輩に買ってきてもらうなんて悪いから私が買うと言ったものの。


『女の子はこういう時は遠慮しないで甘えていいのよ。心花ちゃん、なんだか元気ないもの』


と言われてしまった。



先輩、私の様子がおかしいことに気付いてたんだ…。

女性らしい気遣いの中にも、男の部分がほんの少し顔を出してドキッとさせられる。



二人分のクレープを買いに行く先輩のすらりとした後ろ姿を見送りながら、私は小さく息を吐いた。


武藤くんがいたら、きっと同じことをしてくれるんだろうな……。




「ねぇ、キミ一人?」



ぼーっとしていると後ろからポンポンと肩を叩かれた。


え……誰?


振り向くとそこには知らない男子が二人、ニヤニヤと笑みを浮かべながら立っていた。


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