恋……シヨ？‐武藤 雅晴編‐

そんな武藤くんは、

「あとで話がしたいんですけど、いいですか？
塾の自習室で待ってますから」

と意味ありげなことを言って去っていった。



話って何だろう？

全く想像がつかないまま、授業が終わった後私は自習室に向かう。


ドアを開けると、眩しいオレンジ色の夕日に溶け込むようにして武藤くんが窓の外を眺めていた。

黒髪もオレンジブラウンにきらきらと輝いていて綺麗。



そういえば、武藤くんと初めて出逢ったのもここだったっけ…。

勉強がわからなかった私に武藤くんが優しく教えてくれて。


あの時はまさか彼のことを好きになって付き合うことになるだなんて、夢にも思わなかったな。



懐かしい思い出に浸りつつ美麗な姿に見惚れていると、武藤くんが振り向いてふっと微笑んだ。