恋……シヨ?‐武藤 雅晴編‐
突然聞こえた、キキィーッ!という錆び付いたようなブレーキ音にビクッと肩を上げる。

それとほぼ同時に武藤くんの声がして、私の体が引き寄せられた。



はっとした瞬間、私のすぐ横を自転車が走り抜けていった。


──び、びっくりした…!!



「ったく、危ないな…」



ため息混じりに呟いた武藤くんの声が、すごく間近に聞こえる。

そして、体に片腕を回されてしっかりと抱き留められていることに気付いた。



「大丈夫ですか?先輩…」



パッと顔を上げると、もう少しで唇が触れそうな距離に武藤くんの顔が。



──っきゃあぁ~~!!!

近い!!近すぎる!!


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