恋……シヨ?‐武藤 雅晴編‐
しばらく歩いて、十字路に差し掛かった所で武藤くんが足を止めた。



「…どうしたの?」



少し考えるように視線を宙にさ迷わせた武藤くんは、突然こんなことを言い出す。



「…先輩、ウチに寄っていきませんか?」


「──っ、えぇ!!??」



ウチ…って、武藤くんの家に!?こんなイキナリ!?



驚き過ぎて目を見開いていると、武藤くんは私を宥めるように笑って


「や、変な意味じゃなくて、八百屋の場所まだ教えてなかったなと思って」


と言った。



な…なんだぁ、そういうことか…!!


確かに『“八百屋の武藤”の場所教えてもらっておいてね』って忍先輩にも言われてたんだった。


でもビックリしたよ…!


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