恋……シヨ?‐武藤 雅晴編‐
○の中に武の文字、その下に八百屋と書かれているエプロンを腰に巻いたこの人は、立派なこの店の主だ。


でも……武藤くんのお兄さんだってわかっても、そんな仁王立ちで睨まれてたらやっぱりビビってしまう……。

向こうも私のこと覚えてるのかな…?



気まずいのと怖いのとで黙りこくる私の顔を、武藤くんが不思議そうに覗き込む。



「先輩?…ビックリしました、よね?
僕と兄ちゃんあんまり似てないから」


「あ、や、うん…その~…」



何も気にしていないように笑う武藤くんだけど、正直に答えていいものか迷ってしどろもどろになる私。


すると、ずっと黙って睨んでいたお兄さんが不意に口を開いた。


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