恋……シヨ?‐武藤 雅晴編‐
「ドーナツ作ってきたんです、差し入れに」


「へぇ…差し入れねぇ…」



世良先生は紙袋を恨めしげに眺めると、そのまま私に視線を移す。



「俺も欲しいんだけどな、甘いモノが」


「えっ?」



あれ…先生って甘い物苦手じゃなかったっけ?

と、不思議に思いながらもとりあえず答える。



「あ…ごめんなさい!先生の分まではなくって…」


「あるじゃねーか」



ふっと妖しく口角を上げた先生は、私の耳元に唇を近付けて吐息と共に囁いた。



「…梅津のそのカラダが」



っっ!!!!

な……な……


「何言ってんですか!!このヘンタイっ!!」



そう叫ぶ私の声に、周りの人が一斉に振り向く。

先生は口を片手で覆ってクックッと笑ってるし…!!


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