恋……シヨ?‐武藤 雅晴編‐
「さ、あんまり根詰めすぎても良くないから今日は帰りましょ」


「はい、そうですね。
……あ!」



私はバッグに持ち物を入れながら、数学のノートがないことに気付いた。

やば……今日課題出てるのに。



「どうしたの?」


「あ、ノート忘れてきちゃって」


「あら大変。ここの戸締まりは私がしておくから、取りに行ってきて」


「すみません、ありがとうございます!」



私は急いでマシンやカップを片付けると、先輩にぺこりと頭を下げて教室に向かった。


文化祭前ということで他のクラスもちらほら残ってる人はいたけど、それでも廊下は静かだし薄暗い。

急いで駆け抜けると、私のクラスの教室は明かりが付いていた。


中を覗くと…やっぱり。
先輩が言っていた通り、赤坂くんの姿が。


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