恋……シヨ?‐武藤 雅晴編‐
そっとドアを開けてみる。

すると、赤坂くんはブツブツと何かを呟きながら机に向かっていた。



「おい、留公どうしたい?
まぁまぁここに座んな!」


「赤坂くん…誰と喋ってるの?」


「おわっ!心花!?」



ガタガタッ!と机を鳴らしながら、派手に振り返ってのけ反る赤坂くんに私までビックリする。

そんな赤坂くんの顔は急激に赤くなっていく。




(イラスト:小松ヤコさま)


「い、いつからおったんや!?」


「今さっきだよ?忘れ物取りに来たら赤坂くんが何か喋ってるのが聞こえたから…」


「聞かれてもうたか……」



赤坂くんは大きなため息をつき、手帳のようなノートを掲げてみせる。



「文化祭でやる落語の練習や。一人の時やないと集中出来へんからな」


「落語!?すごーい…!!」


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