恋……シヨ?‐武藤 雅晴編‐
赤坂くん、てっきり漫才をやるんだと思ってた…ちょっと尊敬するかも。



「私も見に行くからね、赤坂くんの晴れ舞台!」


「見に来てくれるんか…?」


「もちろん!楽しみにしてる」



まだ顔を赤くしてる赤坂くんに、私はニッコリと笑いかけた。

あ…でも一人じゃないと集中出来ないよね。



「ゴメン、邪魔して!私もう行くから、頑張ってね」



自分の机の中からノートを取り出し、さっさとバッグにしまって教室を出ようとした──その時。


ぐっと手首を掴まれて足を止めた。


振り向くと赤坂くんがいつになく真剣な表情で私を見ている。



「……赤坂、くん?」


「心花……」



赤坂くんの声って、こんなに色っぽかったっけ…?

なんだかドキドキする。


< 80 / 153 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop