今夜 君をさらいにいく【完】
黒崎さんが私の顔を両手で挟んだ。
「か、考えてません!」
「嘘つけ。お前はわかりやすいんだよ」
黒崎さんに上から見下ろされるのは嫌いじゃない。
ただ、私はこんなにも余裕がないのに、黒崎さんは全然余裕な顔つきをしている。
私が責めたいと思っても、彼は絶対にさせてはくれない。
「余計な事考えるなよ。お前は俺の事だけ見て、感じてろ」
それからは今までにないくらいの心地よい刺激が、全身を駆け巡った。
頭の中が真っ白になって、私はただただ黒崎さんの首にしがみついていた。
こんなに幸福に感じだ時間は産まれて初めてかもしれない。
黒崎さん・・・愛してます・・・