溺愛カンケイ!

何気なく田中主任を見るとバチッと目が合った。

その時の主任の顔は微笑むような今まで見た事のない穏やかな顔をしていた。


――…ドキッ、

慌てて視線を逸らすように俯いた。

王子様の癒しの微笑みを見てドキドキしない人がいるならお目にかかりたい。

そんな主任の視線に気付いた加藤さんが

「田中主任、もしかしてその好きな子って…『加藤、言うなよ絶対!』

田中主任の厳しい声。

「ヒエッ、わ、分かりましたけど…その反応はビンゴなんですね」

納得した表情の加藤さん。


「まだ伝える訳にはいかないんだよ。ちゃんと俺の事を見てもらってからじゃないと…」

田中主任がポツリ呟いた。


「あの、加藤さんは田中主任の好きな人が分かったんですか?」


私の発言でそのテーブルの空気が気まずい雰囲気になった。

何で?
< 121 / 332 >

この作品をシェア

pagetop