溺愛カンケイ!

「あ…、それは…まぁ…なんとなくだけど」

視線をさ迷わせ言いにくそうな加藤さん。

「なんとなく…ですか?」

思わず首を傾げる。

「まぁ…気にしないでよ、小林さん」

はい、飲んでとカシスオレンジを渡された。

「そうそう。まだ気にしなくていいよ、花音ちゃんは」

田中主任にも言われ釈然としないけど

「はぁ…」

頷いた。
何だろう、除け者にされた様なこのモヤモヤとした感じは。



「主任、この先かなり大変そうですね。小林さんは天然なのか鈍感すぎるのか分からないけど手強そうですよ」

「分かってるよ。でも本気だから俺なりに頑張るつもり」


田中主任と加藤さんは私に聞こえない様にヒソヒソとこんな会話をしていた。



そんな私達を見ていた課長の視線と、嫉妬と憎悪に満ちた女子社員の視線に私は全く気付いてなかった――…。


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