溺愛カンケイ!
「昼前に花音ちゃんが目を覚ましたって聞いてホントに嬉しかったんだ。傷は痛む?」
私の額や腕を見て心配そうに眉を寄せる。
「多少は痛みますけど、あまり動かさなければ大丈夫だと…」
「そっか。ねぇ、花音ちゃんが生きてるって確かめさせて」
えっ、なに…。
田中主任は立ち上がりパイプ椅子に自分の鞄を置きベッドに腰掛けて優しく気遣うようにふわりと私を抱き締めた。
「あっ、あの…」
「しばらくこのままでいて…」
主任のスパイシーな香りが鼻を擽る。
「ホントによかった…」
ホッとしたように呟き、抱き締めていた腕に少しだけ力を込めて主任が私の髪に唇を押し当てた。
えっ?と思っているうちに私から離れパイプ椅子に座り直した。
今、主任の唇が…。
「ホントは金沢も一緒に行くってうるさかったけど仕事を押しつけてきたんだよね」
主任は何事もなかったかのように振る舞う。