溺愛カンケイ!
その日の夕方
――…コンコン、
病室のドアがノックされ
「はい」
「花音ちゃんっ、大丈夫?」
呼吸を乱しながら額にうっすら汗を浮かべ、ゆるふわな髪をかきあげ田中主任が入ってきた。
「た、田中主任…」
ビックリして声が裏返った。
「ごめんね、ホントはもっと早くお見舞いに来たかったんだけど仕事抜けれなくて。もう起き上がっても平気なの?」
ゆっくり近付きパイプ椅子に座り、ポケットから取り出したハンカチで汗を拭う。
「はい。ベッドで寝てるより座ってる方がいいので。あの、来てくれてありがとうございます」
こんなに汗をかきながらお見舞いに来てくれたという事が素直に嬉しかった。
「朝、部長から花音ちゃんの事故の事を聞いて心臓が止まるかと思ったよ」
「フフッ、主任は大袈裟ですね」
「大袈裟なんかじゃないよ、花音ちゃんが事故に遭って目を覚まさないって聞いて…俺は目の前が真っ暗になったんだ」
初めて見る苦しそうな表情の田中主任。