溺愛カンケイ!

再び静寂が訪れた病室。


ふと花山主任が言った事を考えていた。


『花音ちゃんを裏切るような人じゃないと思うんだけど』


確かにそうかもしれない。
拓也さんはいつも私の事を気にかけてくれてたし何事に対しても誠実だった。

そんな拓也さんを好きになったんだもん。

嘘をついたのも何か理由があるのかも…。

キスの事は許せないけど、もしかして無理矢理って事もあるかも知れないし。
これは都合のいい考えかもしれないけど。

でも、ちゃんと話を聞いてみなきゃ本当の事は分からない。

子供みたいに会いたくないって駄々を捏ねてたら駄目だよね。


よしっ、決めた!


もう少し私の身体も心も落ち着いたら拓也さんと向き合ってみよう。

拓也さんの事が好きなら信じなきゃ…。


前向きになれるきっかけを与えてくれた花山主任の言葉に感謝した。



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