溺愛カンケイ!

チラッと課長の方を見ると……電話中だった。
真剣な表情で話をしてるから、私たちの事には気付いてないみたい。

この流れって二人っきりで食事に行くって事になるのかな。

それは流石に出来ないから、

「あの…田中主任、今日はちょっと予定がありまして…すみません」

申し訳ないけど断った。
これで大丈夫だと油断してたら


「そうなの?じゃあ明日は?」

「へっ?明日…ですか」

まさかの返しに変な声が出た。
何故か主任はグイグイと攻めてくる感じだ。

「うん、明日なら空いてない?」

首を傾げながら聞いてくる。

課長は話し声が聞こえるからまだ電話してるっぽい。

あーっ、明日の予定は確かに空いてるけど。

こうなったら蓮にぃでもいいから話しに割り込んで来てくれないかな、なんて思ってたら原田部長と一緒に営業フロアを出ていく後ろ姿が視界に入った。


もぅ、肝心な時に!って人任せにしちゃダメだけど。

参ったな、連続では断りづらい。
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